大数の法則とは？カジノが安定して儲かる理由をわかりやすく解説

カジノでは、日々多くのお客様がゲームを楽しみます。
その中で、短期的には「大勝ちする人」や「負け続ける人」が出ることがあります。
しかし、長期的に見ると、カジノ側はほぼ必ず利益を確保します。

それを支えている仕組みが、大数の法則です。

この記事では、大数の法則をやさしく説明しながら、
ヨーロピアンルーレットを例に「なぜハウスエッジが2.7%になるのか」や、
Excelでの簡単なシミュレーション方法について解説します。

カジノディーラーを目指している方にとっても、
ゲームの裏で働く“数学の仕組み”を知っておくことは大切だと思います。

大数の法則とは何か？

大数の法則とは、数学の確率論の中で定義されている法則です。

結論から言うと、

試行回数が増えるほど、結果は理論上の確率に近づいていく

という性質のことをいいます。

これをもう少し平らな言葉にすると、

• 少ない回数では、運次第で結果が大きくぶれる
• しかし、回数を増やすと最終的には“計算どおり”の割合に戻ってくる

ということです。

■ 例：コイン投げの場合

理論上は、

• 表が出る確率：50%
• 裏が出る確率：50%

しかし、10回投げた程度では、

• 表7回、裏3回
• 表3回、裏7回

といった偏りは普通に起こります。

ですが、100回、1000回、1万回と試行を増やすと、
表と裏の回数は徐々に 50：50 に近づいていきます。

これが大数の法則です。

ヨーロピアンルーレットのハウスエッジが2.7%になる理由

ここからは、実際のカジノゲームを例に説明していきます。

まず、ヨーロピアンルーレットは

• 数字「1〜36」
• 「0」

の 計37マス で構成されています。

「赤か黒か」「偶数か奇数か」などの賭けは、
プレイヤーは“ほぼ五分五分”だと感じてしまいますが、
実際には 0 の存在がプレイヤーに不利 になります。

■ 赤に100円賭けた場合の確率

• 赤の数字は18個
• 赤以外（黒17個＋0）の数字は19個

つまり、

• 勝つ確率：18/37
• 負ける確率：19/37

です。

■ プレイヤーの期待値を計算すると…

100円賭ける場合の期待値は次のようになります。

(勝つ確率 18/37 × +100)
+
(負ける確率 19/37 × -100)
=
約 -2.7円

つまり、

プレイヤーは100円賭けるごとに約2.7円失う計算になる

→ カジノ側の利益は約2.7%

→ これがハウスエッジ2.7%

となります。

大数の法則とハウスエッジの関係

ここまでの説明をまとめると、

• ハウスエッジは「プレイヤーが長期的に失う割合」
• 大数の法則は「試行回数を増やすと、その割合に近づいていく」

という関係になります。

短期的には、

• 赤が10連続で出る
• 急に負けが続く
• 突然勝ち続ける
• 0が偏って出る

といった“運”が働きます。

しかし、試行回数が1000回、1万回と増えていくと、
結果は必ず ハウスエッジ2.7%を反映した損益 に収束していきます。

これが、

カジノが長期的に安定して利益を上げられる理由

です。

Excelでの大数の法則を確認

理論を理解するだけでなく、
実際にExcelで“ルーレットの結果を乱数で作り出して検証”すると、
大数の法則がより実感しやすくなります。

ここでは、Excelファイルの内容の概要だけ説明します。

■ Excelで行うシミュレーションの概要

1. RANDBETWEEN関数で 0〜36 の数字をランダム生成する
2. 赤の数字かどうか判定する
3. 勝ち（+100円）、負け（-100円）を記録する
4. 累積損益を計算する
5. 試行回数を100回、1000回、1万回と増やしてグラフ化する

するとグラフは、

• 初めは上下にブレる
• 試行回数が増えると右下へ徐々に収束
• 長期的には “−2.7%”付近に落ち着く

という形になります。

これは、“偶然の勝敗”がならされて
理論上のハウスエッジ（2.7%）に収束していく証拠 です。

実際にやってみると……

100回程度では、+2000円になったり、-5000円になったりとバラバラです。

しかし1000回を超えると、
結果はほぼ間違いなく −2.7% 周辺 に落ち着きます。

以下は3回のシミュレーションの結果です。
1000回、10000回の試行回数で、ハウスエッジの累積と理論値をグラフにしています。
累積がマイナスなのが、カジノ側の儲けです。

1000回ぐらいまではバラツキがあり、
それ以上になると理論値のに近づきます。
3回の結果ですべてカジノ側の儲けになっています。

プレイヤーとしては面白いようで怖いところの一つですが、
ディーラーやカジノ運営の視点では「数学的に自然な動き」です。

まとめ

大数の法則は、
カジノのハウスエッジが長期的にそのまま反映されることを保証する重要な法則です。

• 短期的には運の偏りが大きい
• 長期的には理論値に近づく
• ヨーロピアンルーレットではハウスエッジ2.7%に収束する

こうした数学的な仕組みを理解すると、
カジノゲームの「裏側」で何が起きているのかが見えやすくなります。

カジノディーラーを目指す人にとっても、
“なぜカジノが儲かり、どのように公平性が保たれているのか”
を理解するうえで役立つ知識になります。

あわせて読みたい

カジノの儲けの3つの仕組み、ハウスエッジ・大数の法則・コンプ/VIPサービスと、経営側・ディーラーが行うべきこと

カジノディーラーを目指すあなたへ

日本カジノスクールなど、ディーラー養成スクールの資料を無料で取り寄せ。
未経験からでも安心して学べる講座をまとめています。

カジノディーラー入門｜働き方・キャリア｜語学・スキル｜ゲーム解説｜業界コラム｜タグ一覧

◀フロントページに戻る

らきぶた

LuckyPig

XInstagram

らきぶたです。 カジノやカジノディーラーの世界に興味を持ち、いろいろ調べて学んでいます。 “知らない世界を知る面白さ”を感じながら情報をまとめています。