【書籍】マカオのジャンケットのカジノエージェントが見た 「天国と地獄」
マカオのカジノで実際に働く日本人エージェントが語る、
カジノ業界の最前線とその裏側を描いたノンフィクションです。
マカオで繰り広げられる「大勝ち」と「大負け」
――富と破滅が交錯する現場のリアルを、著者自身の体験と観察をもとに記録しています。
カジノエージェントが見た 天国と地獄

| 書籍名 | カジノエージェントが見た 天国と地獄 |
| 著者 | 尾嶋 誠史 |
| 出版社 | ポプラ社 |
| 出版日 | 2018/10/12 |
| ページ数 | 214ページ |
| 言語 | 日本語 |
| その他 | 新書/Kindle版 |
著者はジャンケット業者のエージェントとして勤務していました。
ジャンケットとは、富裕層の顧客をカジノへ招待し、送迎や宿泊、食事などを手配する業者のことです。
その見返りとして、カジノ側からコミッション(仲介手数料)を受け取る仕組みになっています。
VIP客への実際の対応や、その裏にあるビジネスモデルを知るうえで、本書は貴重な資料になるでしょう。
著者はマカオの発展を振り返り、
「もはや単なるギャンブルの場ではなく、リゾートに近い」と述べています。
また、「カジノを作ることよりも、その後の運営こそが最大の課題だ」とし、
運営ノウハウは既存の大手カジノチェーンから学ぶべきだと指摘します。
目指すべきモデルとして、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズを挙げ、
カジノ以外のエンターテインメント施設や商業機能の充実が不可欠だと説いています。
一方で、カジノができると治安が悪化するのではないかという懸念に対しては、
マネーロンダリングとギャンブル依存症への対策が重要だと述べます。
日本における経済効果については、訪日客の増加は望ましいが、
同時に受け入れ体制の整備やオーバーツーリズムへの対策が不可欠だと警鐘を鳴らします。
著者は「日本のカジノ運営にジャンケットを導入しないのはもったいない」と述べ
(実際には日本のIRでは禁止)、日本独自の“おもてなし”を武器に
中国富裕層を取り込むべきだと主張しています。
印象的なのは、著者の次の言葉です。
「一般人にとってカジノは“遊ぶ場所”であって、“儲ける場所”ではない。」
「長年カジノを見てきた僕自身も、かつてはギャンブルをしたことがあります。しかし今では、もう自分がカジノで遊びたいとは全く思いません。むしろ、もし知人がカジノで遊びたいと言ったら、止めるでしょう。」
この言葉には、華やかなカジノの世界の裏で、人間の欲望や限界を見続けてきた著者ならではの実感がこもっています。
ジャンケットの現状は?
世界的にジャンケットは「縮小」または「厳しい規制」の流れになっています。
マカオの規制強化が大きな転換点になっています。
ジャンケット規制の主な理由は以下のような理由があります。
- マネーロンダリング(資金洗浄)の懸念
- 犯罪組織との関係性が疑われた事例があるため
- 資金の出所を把握しにくい構造
- 税務リスク・違法送金リスク
- カジノ運営側が管理しづらい
- 顧客トラブルや債務問題への懸念
- 国際基準(FATF等)の強化により、各国が規制を優先する流れ
| カジノ | 状況 |
| マカオ | かつて世界最大のジャンケット市場。 2020年以降の規制強化で大幅縮小。 一部のみ厳しい管理下で活動。 |
| シンガポール | 政府の制限が非常に厳しい。 ほぼ存在しない状態。 |
| フィリピン | マカオ縮小後の流入先。 活動は続いているが、規制強化中。 |
| カンボジア | 以前は多かったが、国の規制や治安問題で縮小。 |
| 韓国 | 小規模ながら一部で存在。 大規模ジャンケットはなし。 |
| オーストラリア | マネーロンダリング問題でほぼ禁止・廃止。 |
| アメリカ(ラスベガス) | 昔はあったが、現在はカジノ内部のVIP部門に統合。 外部のジャンケット業者は少ない。 |
まとめ
世界的にはジャンケットは縮小、または厳しい規制の流れになっています。
しかしジャンケット業者の視点で、マカオでどのようなことが起こっていたか知ることは、今後日本のIRでのVIPサービスを展開するうえで示唆に富むものでないかと感じました。

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