「You Bet Wrong, Not My Fault」に学ぶ——カジノディーラーに必要な6つのメンタルケア
これから日本でもIR(統合型リゾート)が本格的に動き出せば、
カジノディーラーという職業はより注目されるようになります。
華やかなイメージがある一方で、ディーラーは多くの感情労働を抱えています。
海外のディーラーが制作した風刺塗り絵本
『You Bet Wrong, Not My Fault』 には、
ディーラーの「心の声」がコミカルに描かれており、
そこにはメンタルケアに役立つ視点がたくさん詰まっています。
今回は、この本に登場する 6つの心理テーマ をもとに、
日本のカジノディーラーに必要な「心の守り方」をまとめました。
書籍の内容を簡単に説明しながら解説します。

1. 感情の抑制と自己喪失
イラストの内容
疲れた表情で頬杖をつくディーラー。
「この仕事は10%がディーリング、90%が演技」という言葉が添えられています。

この仕事は10%がディーリング、90%が“演技”
メンタル面の分析
ディーラーは常に笑顔で接し、感情を大きく動かさないことが求められます。
しかし、この「役割としての自分」と「本来の自分」の差が大きいほど、心理的な負担が高まります。
必要な心掛け・セルフケア
- 仕事中の自分と私生活の自分を切り離す意識を持つ。
- 仕事後に「戻る時間」を作る(シャワー、散歩、音楽など)。
- 感情をため込まないために、簡単なメモや日記を書く。
2. 感情の切り離し(Emotional Detachment)
イラストの内容
静かに目を閉じ、無心になっているディーラー。
外部の雑音をシャットアウトする姿が描かれています。
メンタル面の分析
ディーラーは、客の感情に巻き込まれない能力が求められます。
怒り、酔い、落胆など、多様な感情がテーブル上を行き交いますが、
それに反応すると消耗します。
必要な心掛け・セルフケア
- 「客の怒り=自分への攻撃ではない」と理解する。
- テーブル上では、対象を「観察」として処理する癖をつける。
- 深い呼吸(4-4-6呼吸)を習慣化し、即時的に自分を落ち着かせる。
3. 責任転嫁される立場
イラストの内容
負けたプレイヤーが「お前のせいだ!」と怒る一方、
ディーラーは冷静に「17で引いたのはあなたです」と心の声を漏らしています。

「お前が俺を殺した!」
『17でヒットしたのはあなたですよ。』
メンタル面の分析
客が負けた時、それをディーラーのせいにする場面は海外でも多いようです。
日本でも同様で、負けた理由を合理的に説明しても、感情が先行するケースは珍しくありません。
必要な心掛け・セルフケア
- 自分の責任範囲を理解し、それ以外を背負わない。
- 同僚に軽く共有するだけでも心理的負担は軽くなる。
- 「私は不正をしていない」と冷静に確認できる習慣を持つ。
4. 認知的不協和と距離感
イラストの内容
勝ったプレイヤーが「俺が勝てば、君も嬉しいだろ?」と言う場面。
ディーラーは笑って対応していますが、心の中では困惑しています。
メンタル面の分析
客の感情に無理やり共感しなければならない状況は、
「表情では喜ぶが、心は中立」という“ねじれた状態”をつくります。
これが続くと疲労感が蓄積します。
必要な心掛け・セルフケア
- 共感しつつも、「相手の感情は相手のもの」と距離を保つ。
- 表情筋のストレッチを行い、顔の疲れを軽減する。
- 心の中に“中立スイッチ”を用意する。
5. 職場の救い:良いプレイヤーの存在
イラストの内容
常連の穏やかなプレイヤーが笑顔で話しかけ、
ディーラーも温かく微笑み返すシーン。

また会いたいと思えるプレイヤーのために
メンタル面の分析
悪い客の記憶は強く残りがちですが、
実際には「礼儀正しく、気持ちよく遊ぶお客様」も多くいます。
こうした存在が、ディーラーにとって「また頑張ろう」と思える原動力になります。
必要な心掛け・セルフケア
- 良い客のエピソードを意識して記憶する。
- 1日の終わりに「今日の良い出来事」を3つ書き出す。
- 同僚とポジティブな話題を共有して職場環境を改善する。
6. 職業哲学・人間観
イラストの内容
夜景を背景にチップを見つめるディーラー。
「カードの扱い方には、その人の本質が表れる」という言葉が添えられた最後のページ。
メンタル面の分析
勝ち方や負け方には、その人の性格が強く出ます。
ディーラーは1日に何十人もの“人間”を見ますが、
その積み重ねが「職業哲学」を育てます。
必要な心掛け・セルフケア
- 「この仕事は人間観察である」と視点を変える。
- 理不尽な客も“観察対象”として捉えることで、心理的距離を作る。
- 経験をノートにまとめ「学び」に変換し、意味づけを行う。
まとめ
『You Bet Wrong, Not My Fault』は、海外のディーラーが
現場で感じた「ストレス」「理不尽」「ユーモア」を描いた絵本です。
そこから読み取れる6つの心理テーマは、
日本のカジノ(IR・アミューズメント)でも同じように発生します。
- 役割の自分と本来の自分を切り離す
- 感情のシャットダウンを学ぶ
- 責任の境界線を理解する
- 中立的な共感力を身につける
- 良い客の記憶を大切にする
- 職業哲学を育てて“揺れない自分”を作る
これらは、これから日本でディーラーとして働きたい方にとって、
必ず役に立つ「メンタル基礎体力」です。
参考にしてみてください。

※このページは、現役カジノディーラーX(仮名)の監修予定です。
監修が完了し次第、内容を更新します。
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