【インタビュー】女性カジノディーラー・あけみさん4：スクールで学んだことと練習の工夫

Q：カジノディーラーになるために必要な資格はありますか？

日本には公式な資格はありません。業界団体の認定はありますが、必須ではありません。
正直なくても何ともないので、誰も持っていないです。
海外では試験制度がある国もあり、その場合は一定の基準をクリアする必要があります。

Q：どこで技術を学びましたか？スクールですか？社内研修ですか？

私はスクールで学びました。
日本のカジノ業界は基本的に業務委託なので、まずスクールで基礎を学んでから現場に出る流れになります。

Q：スクールは多くないですね？日本では3か所ぐらいですか？

少ないですね。教えることができる人が少ないし、採算も取れないので。
ひとつは私の関係しているところです。
他のふたつも知っているけど、あまり実働しているように見えない感じですね。
アミューズメントの店舗で学んでいる人もいますが、ゲームの種類が少ないので、広くゲームを学べません。
なのでふつうはスクールに行くか、海外に行くかの二択になります。

Q：先ほど教えていただいたゲームはすべてスクールで教えてもらえますか？

すべてではないです。担当してから自分で身に付けるものもあります。

Q：スクールではどんなことを学びましたか？

ルーレット、バカラ、ブラックジャックは基礎科目です。
カードとチップの取り扱いについても勉強します。
ホスピタリティの講座はカジノでの接客についてです。
カジノ英語も勉強します。英語でルールの説明できるようにということで。
マネージャーのための講座、ギャンブル依存症対策講座があります。
あとは珍しいゲームの特別講座などもあります。
基礎の基本的な内容が多いです。

Q：専門用語の習得は大変でしたか？

大変ではないのですが、ゲームごとに用語があるので覚えることが多いですね。
それよりも実際の場面で困るケースがあります。
一般でよく使われる単語が本来の意味と違う場合です。
たとえば“倍プッシュ”みたいな単語はないんです。
いわれても何それ？と思ってしまいます。
“オールイン”とかもポーカーにしか存在しないので、別のゲームで使われても戸惑ってしまいます。

Q：今の環境で英語の利用はありますか？

あります。ゲーム進行が英語の場合が多いです。
昨日もアメリカ人のお客様がいました。外資系会社のイベントをやる場合もあります。

Q：お客様は欧米人が多いですか？

そんなことはないです。私は日本でのイベントなので。

韓国なんかでは中国人ばかりらしいですね。
彼らはバカラとかが好きみたいです。
英語で進行しますが、あまり聞いてはいないようですが。

Q：指先のスキルやトランプの扱い方はどのように練習しましたか？

トランプの扱いやチップの扱いはスクールで最初に徹底的に練習します。
カードをきれいに広げる、シャッフルでランダムにする、チップを正しく扱うなど。
試験もあって、できなければゲームに入れません。
今でも空き時間にチップを触って練習している人もいます

Q：チップやトランプの扱いで器用さは必要ですか？

器用さはあればよいですが、なくても大丈夫です。
練習すればだれでもできるようになります。
私も手は小さいし器用なほうではないのですが、練習しました。

Q：自分で道具を購入することはありますか？

練習用にトランプやチップを買う人もいますね。
ただし混ざったら大変なので職場には持ってこないです。

変わったところではルーレットを買って、ガラスを乗せ、テーブルにした人がいました。
これはインテリアとしてですが。

Q：練習して良かったと感じたスキルは何ですか？

特定のスキルというものはないです。
必要なものを全部練習して当たり前だと思っています。
技術的な面は、器用さは関係なく、練習すれば誰でもできるようになるとおもっています。
続けることで自然に身につきますね。
現場でかっこよく見せるには習熟するしかありません。

Q：練習の場はありますか？

練習というか、会社で練習の場が開かれています。
そのような場で練習して技術を忘れないようにしている人もいますね。

Q：最近はポーカーが人気ですね？

人気がありますね。
アミューズメントの店舗で教えてくれるところがあります。
そういったプレイヤーからのポーカーディーラーはとても多いです。
ただ普通のカジノディーラーになるなら、きちんと学んだ方がいいかと思います。
短期のポーカーだけのコースもあります。