【インタビュー】女性カジノディーラー・あけみさん2：1日の仕事の流れと現場のリアル

Q：1日の仕事の流れを教えてもらえますか？

現場によって変わるので説明は難しいです。

本来ならお客様の対応中はテーブルのカジノディーラー交換があり、60分から90分で1回交代しますが、アミューズメントの店舗は普通のお店と変わりません。イベントですと休憩があるかどうかもわかりません。

Q：機材の搬入、搬出も自分たちでするのですか？

はい。搬送は自分たちで行います。運送業者は使いません。機材にはすごく重いものもあるので大変です。

Q：週何日働いていますか？

店舗であれば、働き方次第です。普通のお店と同様です。

ハロウィンから年末年始はパーティーとかが増えて忙しいですが、春から夏は仕事が減ります。

Q：では昨年は何日働いたとか、ここ1か月はどれくらい働いたとかはわかりますか？

この辺りの説明は難しいですね。私のようにイベント中心に働いていると、時期による変動が多すぎて夏と冬とでは稼働日が違いすぎます。年に何日働いたかも数えていません。
このあたりは店舗、イベント、船、海外で事情がまるで違います。

Q：シフトはどのように決まりますか？

マネージャーが大枠を考えて、希望をとって予定を入れます。ごく普通ですね。

私みたいな単発のイベント担当は行ける日を選ぶ形になります。

Q：楽しい・やりがいを感じる瞬間はどんなときですか？

非日常感かな。勝負の空気を安全な立場で見られるときです。お客様の緊張感を味わえるのが楽しいですね。あとは「楽しかった」と声をかけてもらえるときにやりがいを感じます。

Q：お客様の反応で印象に残っているエピソードはありますか？

負けたのに「すごく楽しかった」と言ってチップをくださった方がいました。普通海外では勝ったときにもらうものなので、純粋に楽しんでいただけたことが印象に残っています。

Q：カメラやセキュリティはありますか？気をつける場面はありますか？

海外カジノだとディーラー1人につき3台ほどカメラがつくこともありますが、日本はそういうのはないですね。現金の賭かったカジノでないので。

ただし、不正防止のため個人の持ち物を持ち込まないルールがあるので注意しています。

Q：1会場でどれぐらいの同僚と一緒に仕事をしますか？

人数はイベント会場によっていろいろ違いますね。頭を休めるのに交代が必要です。ゲームの種類を増やすのには、またディーラーが必要です。

Q：同僚との連携・チームワークが必要ですね。

テーブルでは基本的に1人で完結しますが、交代制なので最低限の連携は必要です。困ったときに助けてくれるのはフロアマネージャーで、雰囲気を悪くしない協力関係が大事です。

Q：今の職場の雰囲気はいいですか？

良いですよ。
今の日本でディーラーという“変な”道に進む人は、みなコミュニケーション能力が高いです。いわゆる“コミュ障”はいない気がします。今の日本で明らかに外れた道を行こうとする時点で、度胸や体力、気力があるように感じます。ディーラー同士の人間関係はやりやすいですね。

Q：なるほど。ご自身もそうなんですね。

逆に本来お金がかかっているカジノだと、あまりお客様と仲良くするのは良くないのですが、お客様と接するのは嫌いじゃありません。

Q：勤務中の身だしなみやルールで厳しい点はありますか？

ユニフォームが決まっていて、シャツや靴は自分のものですが、ベストや蝶ネクタイは会社支給です。
とにかく清潔感でしょうか。女性のスラックスを導入してほしいですね。
個人の持ち物は持ち込めないです。海外のカジノだとディーラーとお客様が組んでイカサマできないように、私物のペンひとつでも持ち込みはだめです。あと通信機能があり、計算にも使えるので、アップルウォッチも禁止です。

Q：スマホもダメなんですか？

本来はダメだけど、書類とかも入っているので、今のところ持っていてもいいということになっています。ただ海外ではダメだし、今後の本格的なカジノでは禁止になるかもしれないですね。

Q：自分で使用する小道具を所有していますか？共有物ですか？

職場では当然私物を使うことはありません。練習用にコインやカードを持っている人はいます。