【インタビュー】女性カジノディーラー・あけみさん8：この仕事の魅力とこれから目指す人へのメッセージ

Q：カジノ業界で働くことの魅力は何だと思いますか？

一番の魅力は「非日常の世界に身を置けること」だと思います。
自分はお金を賭けていなくても、お客様の真剣な表情や場の緊張感を間近で感じられるのは特別です。
しかもノーリスクでその空気を楽しめる。
接客業の中でも、ゲームやエンターテイメントを通じてお客様と一緒に盛り上がれるのは、他にはない面白さですね。

Q：カジノに対する世間の誤解で気になる点はありますか？

人に職業として説明しにくいですね。
カジノディーラーというと、「日本にあるの？」とか「裏の」とか帰ってきて面倒です。
悪いイメージがあるためかアパートの審査にも2度落とされたことがあります。
今のところは不動産屋ではホームページの確認で通ったのですが、
年配の大家さんは却下されてしまいましたね。

あとはルーレットで思い通りに落とせるとか、好きなカードを出せるとか、ということもないです。
落とす場所を100%決めることはできないです。
そんなことをしても自分の時給は上がらないので、やりません。

Q：モチベーションを維持するために意識していることはありますか？

特別ないですが、しいていえば「自分も楽しむ」ことを大事にしています。
勝負を見るのが好きですね。
ヒリヒリするような展開とか。
ディーラーはあくまで進行役ですが、場の雰囲気づくりにも関わります。
負けてる時にディーラーがニヤニヤしてるとキレてた方もいましたので、
空気を読む力は必要かもしれません。
その結果「楽しかった」と言ってもらえることが一番のやりがいです。
それが次のモチベーションにつながります。

Q：プロのカジノディーラーとして大切なことは何だと思いますか？

計算やテーブル整理のマルチタスクが大切なことはお話ししましたが、
メンタルの強さも大切な資質ですね。
ルール違反などにはビシッと言葉にできる必要があります。
気の弱い人、この辺りがネックで辞めてしまうことがありますね。

あとは公平性も大切です。
お客様にルールを守らせること。
それとディーラー自身もルールを守る必要があります。
当然の当然ですが。

Q：それはディーラー自身がルールを守ることですか？

はい。
ルールを曲解して自分で都合よく解釈してしまうディーラーがたまにいます。
カジノディーラーはクリエイティブな仕事ではないのです。
ルールに従って進めていくだけです。

そのうえで「お客様を楽しませる」という視点を忘れないことが大事だと思います。
勝っても負けても気持ちよくゲームを終えてもらう。
そのために立ち居振る舞いから言葉遣いまで常に意識しています。
それがディーラーのプロ意識だと思います。

Q：この仕事を続けてきて、自分自身に変化はありましたか？

私はあまり変化を感じていません。

Q：どんな人にカジノディーラーをおすすめしたいですか？

人と接するのが好きな人におすすめです。
ディーラーはギャンブル好きがやる仕事だと思われがちですが、実際は接客業です。
お客様を気分良くさせるように、場を盛り上げたりできる人が向いています。
計算が得意ならもちろんプラスですが、暗算は練習で誰でもできるようになります。

Q：ギャンブルが好きでなくても務まりますか？

はい。
まったく問題ありません。
わたしもギャンブル自体は好きではないのです。
ディーラーの仕事は「ギャンブル好きだからできる」というものではなく、
むしろ接客や人を楽しませることが好きかどうかの方が大切です。
私はもともとギャンブルに特別な関心はなく、
どちらかといえばテレビゲームの方が好きでした。

ディーラーに求められるのは、お客様にルールを説明しながらスムーズにゲームを進め、
非日常の空気を楽しんでもらうこと。
そのために必要なのは計算力、冷静さ、コミュニケーション能力です。
ギャンブルへの興味は必須ではありませんし、
むしろ「接客業」としてのスキルや、場を盛り上げる力が役立ちます。

Q：これからディーラーを目指す人がまずやるべきことは何ですか？

ちゃんとしたところでゲームやカードやチップの扱いを学ぶことです。
最初から完璧にできる必要はありませんが、基礎をきちんと身につけないと現場に立てません。

今仕事をしている方は、並行して技術だけ習得して、練習しておくのはお勧めかと思います。

Q：ディーラーを目指す人に「続けるコツ」があれば教えてください。

とにかく「楽しむこと」です。
技術や計算力は練習で身につきますが、雰囲気づくりは自分次第。
緊張や失敗は誰にでもありますが、「お客様と一緒に非日常を楽しむ」
という気持ちを忘れないことが、長く続ける秘訣だと思います。

ただ、もう少し正直にいうと「覚悟がキマってる」ことと、
「不安定な生活でも折れない根性」だと思います。

Q：スクール選びのポイントはありますか？

自分が働きたい現場に強いスクールを選ぶことです。
スクールによっては提携先の店舗やイベント会社があって、卒業後すぐに仕事につながることもあります。
単に技術を学ぶだけではなく「どんなキャリアに進みたいか」を考えて選ぶと、後悔しないと思います。

体験授業とか特定のゲームプランとか手軽なものもあるので、試してみるという手もあります。

Q：最後に、カジノディーラーになりたい人にメッセージをお願いします。

ディーラーは華やかに見える仕事ですが、裏側では正確さと冷静さが求められる職業です。
でもその分、普段の生活では味わえない緊張感や非日常を楽しめる、とても魅力的な仕事です。
ギャンブルに興味がなくても大丈夫ですし、むしろ「人を楽しませたい」という気持ちが一番大切です。
少しでも興味があるなら、ぜひ挑戦してみてください。