【インタビュー】女性カジノディーラー・あけみさん5：現場でのトラブル対応と接客のリアル

Q：テーブルを整理しながらチップを計算するなど大変ですね。

お金にかかわることなので、ズレがあると大きな問題になります。慎重に望んでいます。

Q：計算間違いが起こることはありますか？

起きることはあります。
その場合は基本的にフロアマネージャーに対応を相談して、解決します。

Q：トラブルの事例を教えてもらえますか？

他の人の失敗なのですが、最大の掛け金が決まっているときに、
それ以上かかっていることに気づかなくて。
しかもうっかり当たってしまった時がありましたね。
本来はオーバー分を返して、かかっている分で計算すればいいのですが。
お客様に「元のかけている分で計算しろ」とごねられてしまったことがあります。
ディーラーが気づかなかったのが悪いです。

Q：そのときはどうしたのですか？

お客様はディーラーの説明では納得されなかったので、
フロアマネージャーを呼んで説明して解決したようです。

Q：酔っぱらったお客様のトラブルは？

なくないです。
酔っぱらいはどこでもいっしょです。
他のお客さんにも迷惑がかかるので、フロアマネージャーにお願いしてお引き取り願います。
アルコールは提供していることが多いのですが、酔っぱらっているとゲームも厳しいと思います。
もしカジノで遊ぶ機会があるのでしたら、程々にとどめておくのが良いかとおもいますね。

Q：ほかに迷惑なお客様はいましたか？

時間をかけて考えすぎて、他のお客様の迷惑になっているときはありますね。
このような場合は無視してしまうのでいいのですが。
ほかの例だと、ディーラーに謎の幻想を抱いているのかわかりませんが、
困らせようとよくわからないことをしてくる人がいることはありますね。
ディーラーから見ると何をやってるの？この人？みたいな。。。
このような人はわりと良く見かけます。

Q：自分の利益がかかっているからですか？

関係ないと思います。
面倒な人は面倒。
バーのマスターにお酒に詳しいと語る客のような感じです。

Q：楽しい・やりがいを感じる瞬間をお聞きしたときに“非日常感”とお聞きしました。詳しく説明してもらえますか？

最高額がかかっていて、お客様も冷静でなくなっているときとか、
盛り上がってヒリヒリした空気、バチバチした空気になっている瞬間でしょうか。
私はこういう空気が大好きなので、それが楽しいですね。
公平な審判の立場で、安全圏から見ることができます。

ゲームによってはディーラーとの対戦の形のゲームもあります。
ディーラーである私は1円もかけないでバチバチの勝負に加わることができます。
負けても給料としては変わりません。
最高ですね。

Q：そのような盛り上がったゲーム後のお客様の反応はどうですか？

負けたのに「すごく楽しかった」と言ってチップをくださった方がいました。
普通は勝ったときにもらうものなので、
純粋に楽しんでいただけたことが印象に残っています。

逆に負けたことを人のせい、ディーラーのせいにする方もいますね。完全に運なんです。
で、負けるときはみんな負けるんです。
誰のせいでもないのに、誰かのせいにします。
それがディーラーに向かいます。
すごい罵詈雑言を言われることもあります。

Q：大変ですね。

ヒリヒリ、バチバチの空気が苦手という人もいます。
お客様の罵詈雑言に病む人もいます。
この辺りは冷静さとかメンタルとかの適性が必要ですね。

Q：接客や対応の仕方で意識していることは？

おどおどせず、堂々と立ち振る舞うことです。
見た目は大切です。
新人さんには「できなくてもよいけど、丁寧にやればよい。
パリッとした服装で、自信があるように見せるだけで違う」とよく言います。
完璧でなくても丁寧に対応すれば信頼されます。

Q：新人さんもひとりで出来ていますか？

はい。でも心配なので近くで見ていますよ。